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自然派シャンプーとプロの洗い

麻(リネン)の洗濯方法

クリーニング店の技術をご家庭でも!

洗濯のプロのクリーニング屋さん!
いったいどんな洗濯やクリーニングをしているのか?

その中でも、ご家庭でもできるプロの技をズバリ公開します!

Contents

麻(リネン)を洗濯すると白けるし、
アイロンが大変!?!?

洗濯機で回して洗ってはいけません。麻(リネン)は、丁寧に洗濯しないと、白けます!

麻(リネン)は、洗濯機でグルグル回して洗ってはいけません。

摩擦に弱く、毛羽立ち、色が白けてくるからです。

大切な麻の衣類は、丁寧に手洗い(つけ置き洗い)することをお勧めします。

ご家庭で洗うと、麻(リネン)は、アイロンが大変!

麻(リネン)は、丁寧に手洗いすれば、洗うこと自体はそれほど難しくはありません。

しかし、アイロンがけが大変。

クリーニング工場では、強力なアイロンがあるので、麻(リネン)のアイロンがけはさほど大きな問題ではないですが、ご家庭では、かなり大変だと思います。

この講座は、クリーニング工場で行っている技術を、ご家庭向けにご紹介していますが、
麻(リネン)に関しては、ご家庭でもできるように応用した内容をお伝えします。

では、どうすればいいのか! その答えをご紹介します!
上質な麻(リネン)を愛する方のために、このページを作りました!

麻を、毛羽立たせず、白けさせずに、丁寧に洗う方法。
シャリ感のある風合いを出すために糊の使い方。
アイロンを楽にするために、シワを作らない方法。
アイロンのコツ。

 

まず麻とは、どんなものなのか?

麻には、リネン(亜麻)と、ラミー(苧麻)の2種類

「麻」と表示される繊維は、2種類あります。
リネン(亜麻)とラミー(苧麻:チョマ)です。

リネンのほうがややコシが弱く柔らかいですが、取り扱い方は、基本的に同じです。

麻素材の特徴
・摩擦に弱いので、毛羽立ちやすく、白っぽくなる(白化)
・染色堅牢度が弱いので、色落ちしやすい
・シワになりやすい上に取れづらく、アイロンが大変

雑誌にも麻(リネン)の取り扱いかたを特集されました!

麻(リネン)のご自宅での取り扱い方を紹介

フリー&イージー 麻(リネン)特集
『Free&Easy』 2013年6月号で、

麻(リネン)のメンテナンス方法を、
紹介させていただきました!

麻(リネン)の取扱いについて

用意する薬剤  プロ・ウォッシュ  + 糊

麻(リネン)の洗濯にベスト・チョイスの洗剤を紹介します!
プロ・ウォッシュ

プロ・ウォッシュ/麻100%の洗濯にお勧めプロ・ウォッシュは、麻のように摩擦に弱い繊維の洗いにピッタリ!

摩擦に弱い麻を、コーティングして守ります。

他の洗剤より、表面のすべりが良く、
アイロンが当てやすくなります。

 

麻の洗いは、プロ・ウォッシュでなければならないことはありません。

しかし、繊維を守る力が強いので、洗濯時の摩擦から衣類を守ってくれるので、自信を持ってお勧めします!

糊について

どの洗濯糊でもいいですが、どこにでも売っている安い透明な糊(PVA)がお勧め!

原料の名前でいうと、PVA(ポリビニルアルコール)です。いろんなメーカーから出ていると思います。

PVAは、風合が良く、しかも、安いし、使いやすいし、どこでも手に入ります! スーパーや100円均一にも売っています。

白い糊ではなく、透明な糊です。この糊の風合いが、パサつかず、とてもいい感じなので、お勧めします!

濃度でハリ感の強さを調整できます。好みのハリ感を見つけてくださいね。

麻だけでなく、シルクなどにもハリ感を出すときに使います。
(シルクの時は、ごく少量で)

もちろん、このPVAでないとダメということはありませんので、他の糊でも大丈夫ですが、風合い的にお勧めしています。

麻素材は、ニットでないかぎり、糊を使うことをお勧めします。

麻の洗いの基本は、洗濯機で回さないこと!

つけ置き洗いがベスト!

麻素材を洗濯機で回すと、摩擦で繊維が傷んで、毛羽立ちます。白い麻なら、まだ問題が少ないですが、色鮮やかな麻素材なら、毛羽立ちが白く見えます。ですから、洗濯機で回さずに、つけ置き洗いをお勧めします。

それから、汗をかく季節に着用するものですから、液体の酸素系漂白剤も使うといいですね! 黄ばんでしまった場合は、液体より強力な粉末の酸素系漂白剤で・・・(後述します)

麻の素材は、脱水はなしか、もしくはゆるめの脱水でで・・・!

ノーアイロンやアイロンを楽にするには、脱水がポイント!

麻素材の難点はシワができやすいこと、そしてアイロンが難しい(伸びにくい)こと。

着用のシワは洗いの時、水に浸けると・・・ シワがふやけるというか、それだけでゆるくなります。

問題は、脱水の時にできる「絞りジワ」です。

この絞りジワは、脱水をなくすか、脱水時間を極度に短くすることで、その影響を受けなくなります。

下記に、脱水をしない「ぬれ干し」という方法を詳しく紹介します。

脱水時間を極度に短くする件ですが・・・

脱水時間が1分では、もうしっかり絞りジワができてしまいます。できれば、高速回転になったら止めるぐらいがお勧めです。

大部分の洗濯機では、1分以内の脱水の設定がありません。そういう場合は、私は、終了ボタンを使って止めています。

麻のシャツをノーアイロンに近づける方法!

脱水せずに干す、「ぬれ干し」テクニックの紹介!

麻のシャツは、アイロンが大変です。ですから、麻のシャツをノーアイロンに近づける方法をお伝えします。

それは、脱水せずにボトボトのまま干す、「ぬれ干し」という方法です。ハンガーにかけた後、シワを伸ばすように、引っ張ってあげると、よりきれいになります。

もちろん、アイロンをかけた方がキレイですが、かなりシワがなく、ノーアイロンで着れるレベルに近づけることができます。

アイロンを、キチンかけたい方もいらっしゃるかもしれません。もし、アイロンをかけるにしても、このぬれ干しをすると、アイロンがかなり楽になるはずです。

麻100% 黒シャツの洗濯麻100%の黒シャツを、プロ・ウォッシュで洗った後、薄く糊づけし、脱水機で絞らず、ボトボトにぬれたまま干しました。

ハンガーにシャツの形を整えて、干しました。
この時、しっかりシワを伸ばして干すことが重要です。

左の写真は、シャツが乾いた状態です。

注意点としては、脱水していない衣類を干すので・・・
干している時に、水がどんどんたれてきます。

洗濯の時の服が、ぬれないように工夫が必要です。

例えば、ぬれた麻のシャツを少しふって、たれてくる水を少なくするとか・・・

下の写真は、上記のシャツをアップしたものです。

麻100% 黒シャツ アップ写真だと、分かりにくいかもしれないですが、かなりシワがなく、いい感じ!

かなりシワがないので、ノーアイロンで着れると思います。

もし、アイロンをかけるにしても、
これだけシワがないとかなり楽です。

 

また、麻は、乾くのが早いので、ぬれ干しにピッタリな素材です!

「ぬれ干し」テクニックの追加

麻100%の白シャツです。基本的に、上の黒の麻シャツと同じです。

黒い麻のシャツをぬれ干した時に水がかなりしたたってきたので、今回はものすごく弱い脱水をしました。

麻100%シャツ洗濯 麻のシャツを、プロ・ウォッシュで洗った後、薄く糊づけし、脱水機で10秒ほど、高速回転になる前にとりだしました。

今回は、水のしたたりはありません。

ハンガーにシャツの形を整えて、干しました。この時、しっかりシワを伸ばして干すことが重要です。

左の写真は、シャツが乾いた状態です。

 

しっかり脱水すると絞りシワができるので、水のしたたりを取るぐらいで十分。
脱水が高速回転になる前に、止めましょう!

下図は、上記のシャツをアップした写真です。

写真で分かりにくいかもしれないですが、
やはり、今回も、
かなりシワがなく、いい感じ!

かなりシワがありません。

ただ、エリや前立て、ソデは、アイロンを当てた方がベターだと思います。

でも、ノーアイロンでも十分に着れると思います。

ぬれ干しで、水のしたたりを最小限にするヒント!

ぬれ干しでハンガーにかける際に、高い位置につるしているハンガーに麻のシャツをかけるのではなく・・・

ハンガーを手元に持ってきて、低い位置で麻のシャツにセットし、それから、高い位置にハンガーをかけるといいです。

後でアイロンを当てる場合は、神経質に麻のシャツを整える必要はありませんが、ノーアイロンで着たい方は、ハンガーにかけてから、丁寧にシワを伸ばして整えたいです。

その時も、ぬれ干しした直後は、ドボドボに濡れているので、水がしたたったり、シャツの背中と前が貼りついたりしてやりにくいので、10分以上間を置いてから、整えるといいです。ちなみに、20分ほどおくと、水のしたたりがほとんどなくなります。

麻素材をを、ぬれ干しをする時は、分厚いハンガーを・・・

麻のぬれ干しでも、やはりハンガーの厚みで変わります!

写真では、分かりにくいかもしれませんが、
麻のぬれ干しでも、厚みのあるハンガーの方が、肩のシワなどがキレイになります。

あまり太くない、黒いプラスチックハンガー

クリーニング店で使われている黒いプラスチックハンガー。あまり太いハンガーではありません。

これで、十分といえば、十分ですが、下記の太いハンガーの方が、シワが少なかったです。

下記のシャツと同じシャツですが、
太陽の光の関係で、白さが微妙に違ってます。

太く厚みのあるプラスチックハンガー

写真では分かりにくいかもしれませんが、上記の細いハンガーより肩のシワが少ないです。

ぬれ干しをしてから、アイロンを当てる場合は、
ハンガーの厚みは考えなくていいと思いますが・・・

アイロンを当てずに、そのまま着るのであれば、できれば、太いハンガーを!

麻素材を、ぬれ干しをすると、アイロンも驚くほど楽です!

やはりアイロンを掛けたい方へ!

上記で紹介しました「ぬれ干し」で、麻100%の白シャツ半袖を洗いました。
ほとんどノーアイロンで着れる状態でしたが、試しにアイロンを当ててみました。

結論から書きますと・・・
麻のシャツをぬれ干しすると、アイロンがものすごく楽です!

ぬれ干しをすると、ノーアイロンでも十分に着れると思いますし、
もうちょっと小ざっぱりしたい方には、アイロンをサッとかけるだけで、OKです!

まずアイロン台に、ぬれ干しをして乾いた麻のシャツをセットします。

ぬれ干しをしているので、それほどシワは多くありませんが、写真をよく見ていただくと、シワが少し残っています。

 

この写真は、家庭用アイロンで、サッとかけてみたところ。霧吹きも、スチームもしていません。

しかし、これだけで、とてもキレイに伸びてます!

驚いたのは、霧吹きも、スチームもしていないのに、伸びたということ。

ぬれ干しをすると、麻の素材のアイロンがけが、驚くほど楽になります。

 

補足)麻の「ぬれ干し」とアイロン

もしアイロンをかけるなら、まず縫い目を・・・

ご参考になるかもしれないので、投稿します。

上記のアイロンを当てた麻のシャツは、テストとして左右を分けて・・・
片側だけアイロンを当て、片側はノーアイロンとしました。

それで、着用しますと・・・
30分もぐらいしていると、着用のシワができ、左右の違いがほとんど分からなくなりました。

「ありゃ、アイロンの意味がないじゃん、これ・・・」

ですから、麻のシャツをぬれ干ししたら、ノーアイロンでもほとんど差がない感じです。

しかし、ひとつだけ差を感じた部分があります。

縫い目の部分です!

もし、アイロンをかける場合は、身頃より縫い目の部分をアイロン当てた方がいいと思います。

身頃のアイロンは、確かにした方が着用前はパリッとしていて気持ちいいですが、着用すると、ぬれ干ししてシワが少ないノーアイロンとほとんど差を感じませんので・・・

黄ばんだ、麻のシャツを、酸素系漂白剤で強力に漂白!

黄ばみがあると、漂白が必要です!

麻素材を着る季節は、どうしても汗をかく季節です。ですので、汗の黄ばみが発生しやすくなります。

汗は時間と共に黄ばんでくるので、できるだけ早く(こまめに)洗うことが大切です。
そうは言っても、黄ばんでしまった場合は・・・

これは、普通の洗剤では取れません。酸素系の漂白剤が必要です。

部分的な黄ばみ

初期段階(うっすらと黄ばんでいる)
液体の酸素系の漂白剤のスプレーが便利!
シュ、シュ、とスプレーして、数分おけばかなりとれます。

しっかり黄ばんでいる場合
 しっかり黄色くなっている場合は、液体の酸素系の漂白剤のスプレーでは、ちょっとしんどい・・・
その場合は、酸素系の漂白剤の力をパワーアップさせる方法があります。
① 温度を上げる   (ドライヤーなどで熱を与える)
②アルカリを与える (アンモニア水などを垂らす)
(重曹などのアルカリを、液体の酸素系の漂白剤で溶く)
(粉末の酸素系漂白剤を、液体の酸素系漂白剤で溶く)

全体的な黄ばみ

初期段階
初期段階は、洗いの水温を40~50℃にして、
液体の酸素系の漂白剤を、キャップ1~2杯ほど入れる。
5~10分ほど、つけ込む

しっかり黄ばんでいる場合
洗いの水温を40~50℃にする。プロ・ウォッシュを入れる。

液体の酸素系の漂白剤をキャップ1~2杯ほど入れた中に、
さらに、粉末の酸素系漂白剤を、同量か少し多めで入れる。
(粉末の酸素系漂白剤が多くなるほど強力)
5~10分ほど、つけ込む。

粉末の酸素系漂白剤を入れた場合は、濯ぎを合計2回以上にして・・・
できれば、すすぎの中に微量のクエン酸(耳かき1ぱい程度)をいれるといい。

上記よりもっと強力な漂白をするために粉末の酸素系漂白剤の量を増やした場合は、すすぎの回数をさらに増やしてください。

麻のアイロンの掛け方!

霧吹きは、麻のアイロンのマストアイテム!

この洗濯講座では、麻のシャツの「ぬれ干し」という特殊な方法をご紹介しました。ぬれ干しをすると、今まで難しいとされていた麻のアイロンがとても楽になります。だから、麻素材は、「ぬれ干し」するというのが、お勧めの方法です!

しかし、一般的なこともご紹介しておきましょう。

麻という素材は、アイロンがけをするだけでは、基本的に伸びません。伸びにくい素材なので、アイロンの温度も高温の設定です。

しかし、それでもまだ伸びません。

通常は、そういう場合、スチームを使いますが、それでも、麻はまだ伸びないことが多いです。ですから、麻のアイロンには、霧吹きを使うことが基本です。

どうしてスチームでは伸びないで、霧吹きの方が伸びるのか? ということについては、
スチームの方が水が細かく、水分量もとても少ないからです。

麻のシワがアイロンで取れないなぁ~と言う場合は、必ず霧吹きをしてください。