ぼくは、ていねいに、ひとつひとつを感じながら洗うのが好き。と、先日、投稿しました。で、そうして洗っていると、ぼくの内側から、どんどん喜びがあふれてきます。
ぼくは、このことは、すごく大切なことだと思ってます。というのは、自分の心が幸せになり、意識を向けた対象も輝くからです。
なので、ぼくは技術を教える者として、この感覚を習得してもらいたいと思い、かなり前から、こういうことを伝える時間をたくさんとるようになりました。
が、初めの頃は、なかなか伝わらない・・・ 伝えても反応がない・・・ どうも理解してもらってる感じがない・・・
そういう時間が何年もありました。
はじめて一人、できるようになったのは、ぼくの友人の息子さん。今から6年前のことでした。
彼は、アイロンをかけることを選びました。ていねいに、ていねいに、感じながらアイロンをあてる・・・ すると、自分の内側から喜びがあふれ、はじめて仕事が楽しいと感じれるようになったそうです。
下記は、その彼からのメールです。
—————————-
(では、彼のメールの引用)
私にとって1番の収穫は、この仕事が楽しいと思えるようになったことです。
その結果、向上心が出てきて、少しずつ自分にできることが増えていって、自信がついてきました。
去年までは、決められた仕事をただこなすだけで、パートさんと変わらないなと思っていましたが、やっとクリーニング屋さんになれたような気分です。
今週から、春の割引セールに合わせて繁忙期に入りました。去年まで、この時期は憂鬱な気持ちになっていましたが、今年はワクワクしていました。これは自分にとって、かなり大きな変化です。
(引用おわり)
—————————-
このメール、6年たった今でも、大切にしています。どんな技術を習得してもらうより、自分の仕事が楽しいって感じれもらえる方が嬉しいから。
次に会った時、彼は、本当の男の顔になっていたなぁ~。本物のクリーニング屋さんになったと感じたのです。
それから、余談となりますが、さらに嬉しかったのは・・・
—————————-
(再び、彼のメールの引用)
シミ抜き教室で学んだことで印象的だったのは、「幸せ」についてです。
仕事がうまくいってても、夫婦、家族が幸せでなければ意味がない。夫婦、家族関係がうまくいってれば、仕事も自然とうまくいく。夫婦が仲良くしていれば子供も良い子に育つ。
などとても勉強になりました。山崎さんにはシミ抜きだけではなく、幸せになる生き方を教えていただきました。
(引用おわり)
—————————-
自分自身が「幸せ」でないと、質の高い仕事ができませんものね・・・
話を元に戻して、一人できるようになると、その後、同じようにできる人が次々と出てきました。
これができるようになると、気の感覚も分かるようになるんだよね・・・
で、ぼくの生徒さんたちはかなりできるようになってきたから、もっと多くの人たちもできるようになったらいいなぁ~って思って投稿してます。
ていねいに、ていねいに、感じながらする・・・
対象に意識を向け・・・ ていねいに、ていねいに・・・
途中で思考や雑念が湧いてきたら、それに巻き込まれるのでなく、それから離れ・・・
また対象に意識を向け・・・
ていねいに、ていねいに・・・
ぼくは、これはある種の瞑想だと思っています。だって、喜びがあふれて、いわゆる坐ってやる瞑想と同じ感覚だもん。
もちろん、洗濯でなくても、なんでもいいのです。ぼくは、自分の専門分野だから洗濯で語っているだけです。
掃除でも、料理でも、お風呂に入ることでも・・・ なんでも・・・
ひょっとして、お母さんが赤ちゃんにおっぱいをあげるのも、瞑想なんじゃないのかなぁ~? ま、ぼく、経験できないけど、なんかあれって、喜びのあふれ方が半端ない気がしちゃいます・・・
コツを会得すると、全ての日常の雑用が、心を整え、豊かな時間に大変身!
すごい職人さんの作品に触れると、どれだけていねいにやってるか、感じれます。かつての日本は、このていねいさがあふれていたのに・・・
現代に生きてると、何かと忙しい・・・
だから、日常の何か一つでも、ゆっくり、ていねいにやってみては!?
アイロンの彼は、一日一枚だけシャツを、時間をかけ、ていねいにすることを続けることで、あの感覚を得ました。
はじめは、ひとつでいい・・・
何かひとつのことが、深くできるようになることが大切だと思うのです。
ゆっくりと、ていねいに、何も考えず、心を込めて、ひとつのことを!
そういうことを続けていると、ハートから喜びがあふれる体験ができます。
そう、それ!!!
ひとつのことができ、慣れてくると、いろんなことで、簡単にできるようになりますよ!
こういうのが、ぼくが感じている「ていねいな暮らし」です。
山崎 勝/拝